月別: December 2016

2016年Talendデータマスターズアワード:Lenovo社のデータ駆動型テクノロジーによる小売変革

  2015年、Talendはビッグデータとクラウド統合テクノロジーの革新的な使用によりビジネスを劇的に変革した企業を表彰する、年次のデータマスターズアワード(Data Masters Award)プログラムを導入しました。 今年のデータマスターのブログシリーズは、2016年11月17日にフランスのパリで開催されたTalend Connectカンファレンスで発表された、2016年データマスターズアワードの受賞企業に焦点を当てています。 デジタルマーケティングによる最大限のROIの実現、 人気商品の特定と販売方法、 オンラインストアでの需要の把握と提供といった課題は、 規模を問わずオンライン店舗と実店舗の両方のビジネスにとって難しい懸念事項となっています。 小売業は膨大な顧客データを持つ業界であるとは言え、企業は顧客ニーズを把握してリアルタイムのパーソナライズされた推奨情報を提供するために苦心しています。 これはまだ精密科学の分野ではありませんが、ビッグデータ、クラウド、リアルタイムの情報テクノロジーの支援によって少しずつ簡単になり始めています。 Lenovo社のデジタル変革と同社が提供する弾力性の高いハイブリッドクラウドプラットフォームは、業績を飛躍的に高める全方位的顧客管理プラットフォームの好例です。 顧客データの活用 Lenovo社は世界最大のPCベンダー[1]であり、460億ドル規模のパーソナルコンピューティングテクノロジー企業です。 同社は、世界中の何百万もの顧客に対する360度のビューを実現するために、構造化データ及び非構造化データのトランザクションを毎年220億件以上分析しています。 このような大量のデータを持ちながら、Lenovo社は収集した膨大な顧客データからビジネスの知見を迅速に得るうえで課題を抱えていました。 このことから、リアルタイムのビジネスインテリジェンスと運用分析をサポートする弾力性のあるハイブリッドクラウドプラットフォームとして、LUCI Skyが構想されました。 Lenovo社のビッグデータアーキテクトであるPradeep Kumar G.S.氏は、同社が毎日60以上のデータソースからの「データセットの運用分析をリアルタイムで実行」するのに、LUCI Skyが役立っていると説明しています。 Amazon Web Services、Lenovoサーバー、Talend Big Data等のテクノロジーによる新しいビッグデータ環境を利用することで、Lenovo社は分析を実行して顧客に最も好まれる製品と構成を理解できるようになりました。 また、その過程で、過去3年間で1年目から継続的にコストを100万ドル削減し、ユニット当たりの収益を11%増加させることができました。 360度のカスタマービューでビジネスを180度転換 Lenovo社でビッグデータアーキテクチャーとグローバルビジネスインテリジェンスを担当するシニアマネージャーのMarc Gallman氏は、「ここ数年間で実現した360度のカスタマービューにより、顧客ニーズを迅速に理解でき、応答と知見をより早く得られるようになっています」と述べています。 Talendは、2016年のビジネスROI部門データマスターズアワードを獲得したLenovo社の成果を称えます。 同社のダイナミックなビジネス変革の詳細については、以下のビデオをご覧ください。  


センサー、環境、モノのインターネット(IoT)

Jacob Morgan氏は、「インターネットに接続可能なすべてのものは、今後接続されるようになる」と述べています。「クラウド」と「ビッグデータ」は一時期、単なる流行語だと見なされていました。しかし今では、この2つの主要なテクノロジーが、世界中のあらゆる業界のビジネスに劇的な影響を与えていることを目の当たりにしています。そして多くの人が今、「同じことがIoTにも当てはまるのか」と考えています。個人的には、世界を一変させる影響力を持つトレンドやテクノロジーを一時的な盛り上がりだと捉えるべきではないと考えています。 2006年、私はRFIDの使用に関する研究調査を行っており、自動データ整理機能とリマインダーテクノロジーを使用して、雑然としたオフィス文書を整理する方法を紹介しました。このトピックに関しては、「Document Tracking and Collaboration Support using RFID(RFIDを使用した文書追跡とコラボレーションサポート)」と題した論文を発行しました。私が初めてセンサーとのやり取りを経験したこの研究で、私と共同研究者はM2M(マシンツーマシン)に、その後はコラボレーション環境との統合に焦点を合わせました。そして、SoT(Subnet of Things)の研究へとつながっていきました。スマートホーム、スマートカー、スマートシティなど当時誕生したアイデアが、現在では実現しつつあります。IDCの推測では、2020年までに280億台のセンサーが使用され、その経済的価値は1.7兆ドルになるとされています。応用シナリオをご紹介する前に、センサー通信のスコープとその3つのカテゴリについて概説します。 M2M マシンツーマシンは、スコープとドメインの点でIoTとは異なります。通常、この2つは可用性が制限されており、データに基づいて運用上の規定が事前に定義されています。わかりやすい例として、製造ユニットと内蔵されているさまざまなセンサーとの通信を挙げることができます。身近な例では、自動車に搭載されたその車専用の暖房センサーがあります。 SoT SoT(Subnets of Things)は、組織レベルまたはエンタープライズレベルにスコープを設定できます。ファイルごとや書籍ごとにRFIDが存在する上記の例のように、SoTもコラボレーションプラットフォームを使用して組織内に配置が可能です。たとえば、自動車はデータを送信してコンポーネントの品質と稼働状況を測定し、より良い操作と安定した運転を提供します。 IoT 2013年、IoT-GSI(Global Standards Initiative on Internet of Things)は、IoTを「情報社会のインフラストラクチャ」と定義しました。IoT(モノのインターネット)とは、一意の識別子が付与され、人対人または人対コンピューターの対話を必要とせずにネットワーク上でデータを転送できるコンピューティングデバイス、機械、デジタルマシン、オブジェクト、動物、または人が相互に関連するシステムです。IoTは、無線技術、MEMS(Micro-Electromechanical System:微小電気機械システム)、マイクロサービス、そしてインターネットの融合によって進化してきました。 センサーのデータ型とネットワークの課題 サンフランシスコに出張した際、SAPのIoT研究開発リーダーにお会いし、私たちの日常生活がビッグデータによってどのように変化しているのかという非常に興味深いお話を伺いました。たとえば、航空機システムでは数千台のセンサーがデータを送信しており、小数点以下8桁から16桁までの計算を数分の1秒でする必要があるとのことです。センサーのおかげで膨大なデータが利用可能となった今、リアルタイムのビッグデータインサイトを活用する能力のある企業の成長を阻害する要因は、現行のテクノロジーインフラストラクチャだけです。 IT部門の意思決定者は、インフラストラクチャを構築し、ネットワークを利用できなかったために保持されていたデータの処理が可能なソリューションを活用する必要があります。通信ネットワークが整っていないことや、信号妨害などが原因で接続できないこともあるため、ITリーダーはネットワークが利用可能になりデータを転送できるようになるまでの間、データを保持し続けられるインフラストラクチャを構築しなければなりません。 センサーデータには、さまざまなソースからのデータと同様に、クレンジング、分析、およびガバナンスが必要です。それに加えて、特徴的な性質ももっています。通常、センサーデータは時間と対置される情報(値)のストリームです。すべてのデータに意味があるわけではありませんが、収集時にその価値が不明であったとしても、すべてのデータには必ず価値が生まれるため、データを破棄することはできません。したがって、データ圧縮の際に厳密ではないアルゴリズムや疑わしいアルゴリズムを使用しないでください。次のような方法を用いることで、このような状況を克服できる可能性があります。 必要な場合に限り、フィルタリングされたデータを送信する 異常値のみを送信する 根拠のない/テストされていないアルゴリズムを使用せずにデータを圧縮する IoT研究者は、さらに次のように述べています。「この瞬間もここでは大量のデータが生成されています。何らかのイベントが起きた場合や、コンポーネントに障害が発生した場合も、それ以前に生成されたデータは非常に重要です。なぜなら、これは完全なエコシステムだからです。データを失えば、今後同様のイベントを予測することはできなくなります。したがって、コストを抑えるには、可逆圧縮を使用してデータを圧縮するという選択肢しかありません(唯一の選択肢は、コストが高すぎます)。データが重複していたり、データ頻度が高すぎたりする場合、多くのオーバーヘッドが発生しますが、やはりバックエンドシステムが受信したすべての情報を処理できてしかるべきです。センサーレベルで高速フーリエ変換などの曲線適合法を適用すれば、集計値を得ることができます。センサーデータは、データレイクと呼ばれる低コストのスケールアウトシステムに保管するのが最も適しています。生データは、その価値が証明されていないため、通常はデータウェアハウスに保存されませんが、セキュリティなどの明確なガバナンスが必要です」 センサーが日常生活に与える影響 センサーは私たちの生活のほぼあらゆる面に影響を与えています。人感センサーから製造ユニットまで、あらゆるものが日々スマートになっています。近い将来私たちに影響を与えるIoTの基本的な例をいくつか見ていきましょう。 スマートマニュファクチャリング 製造業は年間12兆ドル規模の世界的産業です。ロボットがある場所から別の場所に商品を移動し、自動車部品工場や組立ラインで稼働している金属プレス機の全動作はセンサーによって追跡されます。工業生産業とも呼ばれるこのセクターは、すでに著しい成長率を示しています。さまざまなプロセスから収集されたデータは、予定外のダウンタイムを防止するためにも、売上予測に基づいて供給ニーズを予測するためにも役立ちます。 スマートトランスポート 自動車業界の統合は、家電にとって新たなフロンティアだともてはやされています。Gartner社の予測によれば、無人自動車は2030年までに熟年市場の乗用車の約25%を占めるようになります。無人自動車は、レガシーデザインを継承したハンドルを「マシンオーバーライド」の目的のためだけに装備していますが、最終的に手動での制御はなくなるでしょう。ブレーキ、速度計などのインジケーター、加速などの従来の制御はすべて、センサー、レーダー、GPSマッピング、およびさまざまなAI(人工知能)に基づいて行われるようになり、自動運転、駐車、事故を回避する最も安全なルート選びが実現します。この素晴らしいテクノロジーは、車の制御だけでなく、道路状況や車両との関係に基づいた路上で他の車との通信にも重点を置いています。外部ネットワークを必要とする通信は、ルート計算、車両の状態、eコール、および保険やデータのバックアップに基づくbコールの使用など、インターネットベースサービスを可能にします。 スマートエネルギー 送電網が稼働を開始したのは1890年代ですが、当時は非常に集約型で隔離されていました。その後、送電網は拡張され、発電所は技術的な停止(バックアップとリカバリー)に備えて負荷シフトテクノロジーとつながりました。風車や太陽エネルギーのような小型発電ユニットの多くは現在、状況に応じてさまざまな容量の発電を行っています。今日では家庭でも発電が行われていることもあり、送電網が対応する電源は以前よりも増えています。そのため、送電網にプレッシャーがかかっているだけでなく、集約型のシステムの管理が困難になっています。 主要な電力会社は、システムの状態に基づいて、現時点で最も安価な電力源を決定し、不要な発電とコストを回避するために石炭または燃料ベースの電力源を停止できます。同様に、スマートメーターが導入されている現在、使用量に基づいて顧客に課金していますが、将来的に接続先が増えれば、これらのセンサーは最も安価な電力源を判断できるようになる可能性があります。 スマートホームとスマートシティ スマートシティは、非常に興味深いIoTの応用例です。スマートホームとスマートシティは相互に接続しています。スマートシティはコミュニケーションのための優れたインフラストラクチャを提供し、メリットをもたらすことが期待されています。すでにプロジェクトが進行しているシカゴ、リオデジャネイロ、ストックホルムでは、政府が民間企業と共同でIoTを活用して、路上に設置した資産(街灯など)からデータを収集し、修理の必要性を判断しています。スクールバスの監視からゴミの収集まで、IoTは社会の機能のしかたを変えています。 「スマートホーム」とは、相互通信が可能で、家のどの部屋からでも、また電話やインターネットを使って世界中のどこからでもタイムスケジュールに基づいて制御可能な、家電、照明、暖房、エアコン、テレビ、コンピューター、エンターテインメントオーディオ/ビデオシステム、セキュリティ、およびカメラシステムを備えた住居を示す用語です。次世代のスマートホームは、冷蔵庫の在庫管理を行うようになり、在庫が少なくなったと判断すると牛乳や卵を自動発注できます。あるいは、電気、水道、さらにはネットワーク接続の中断を認識して、サービス提供者に修理を要請するようになります。また、スマートゴミ箱はいっぱいになると、ゴミ収集車に自動的に通知するようになります。 一言でまとめるならば、データ駆動型の現在の社会は「スマートシステム」にシフトしつつあります。現在のインフラストラクチャは、データの生成、取り込みから分析にいたるまで、困難な課題を克服する力を与えてくれました。上記のスマートシナリオに加えて、GPSチップなどの個人用身体センサー、健康/活動モニターによって生活水準は向上しています。今後数か月から数年の間に、IoTは急成長することが予測されます。 関連リソース http://www.wsj.com/articles/how-u-s-manufacturing-is-about-to-get-smarter-1479068425?mod=e2fb https://blog.fortinet.com/2016/10/27/driverless-cars-a-new-way-of-life-brings-a-new-cybersecurity-challenge http://internetofthingsagenda.techtarget.com/definition/Internet-of-Things-IoT